介護職員にとって自身のキャリアを積み上げていくことは大きな課題の一つになります。なぜなら、介護職員が現場での経験を積み上げながら自らステップアップしていく仕組みが現状では非常に限られているからです。
初任者研修については以前の訪問介護員2級課程とほぼ同等の研修内容と時間であり、広く知られるようになってきましたが、実務者研修にあたっては現場サイドあるいは施設長などの役職を持つものも、その位置づけや内容をあまり知らないこともあります。
また、介護福祉士を取得した後のキャリア形成については、ほとんどが介護支援専門員、ケアマネジャーを目指す状況にあります。ケアマネジャーは相談・援助職にあたるため、直接的な援助を中心とする介護職としてのキャリアの延長線上にはないのです。
認定介護福祉士という新たな資格が加わったことは、介護福祉士にとって喜ばしいことではありますが、制度上の配置義務がないことや給与面での変化も今のところみられないため今後期待されるものという位置づけになります。
現状で介護福祉士としてステップアップしていきたいのであれば、介護福祉士実習指導者講習会かあります。この講習会を修了し実習指導者として現場や介護福祉士要請施設などの実習生への指導や新任介護スタッフへの指導にあたる人も多いです。
参加した人の9割がステップアップにつながるものだとしており、役職や給与が上がることよりも、講習会の内容に魅力を感じている人も多くいるようです。